おしゃれな和室の旅館の部屋や、古民家を改装したカフェなど和室の良さを活かした例を見ると、「和室の雰囲気を変えたい」「古い実家の和室をリフォームしたい」と思う方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、和室のリフォームの種類や必要な工事や失敗例、失敗を避けるために必要なことなどについて解説します。
1. 和室リフォームの種類
和室のリフォームには「和室を部分的にリフォームする」「和室を洋室にする」「和室を和モダン風にする」という3つの種類があります。
1-1. 和室を部分的にリフォーム
和室を和室のまま部分的にリフォームする場合、畳やふすま、障子を新しく張り替えるのが代表的な方法です。その他、押し入れをクローゼットに変えて収納スペースを増やす、砂壁をクロスや珪藻土、漆喰などに替えるというリフォームもあります。
1-2. 和室を洋室にリフォーム
壁や天井を洋風に変えるのをはじめ、畳をフローリングやクッションフロアに替える、押入れをクローゼットに変える、ふすまを洋風の建具に変えるなどの方法があります。全面的なリフォームとなり、費用も高額になることがあります。
1-3. 和室を和モダンにリフォーム
和室が持つ雰囲気を残しながらリフォームして洋風の雰囲気をミックスさせ、現代の生活に合うように機能性を高めたのが「和モダン」です。もともとの構造を利用するため、まるごと洋室にする場合に比べ費用が少なく済むというメリットがあります。具体的には畳を琉球畳(縁(へり)のない半畳サイズの畳)に替える、壁にクロスを貼る、押入れをクローゼットに変える、障子をガラス窓に変える、壁を撤去してリビングと一続きにする、段差をなくすといったリフォームをします。和室に合う建具や間接照明を使ったり、クロスなどの配色にも気を配ったりすると和モダンらしい雰囲気をより高められるでしょう。
2. 和室リフォームの注意点
和室をリフォームする場合、注意しておきたいポイントについて解説します。
2-1. ほかの部屋との調和、統一感があるか
和室をリフォームする際には他の部屋とのバランスがとれているかを意識しましょう。たとえば、リビングと和室が一体化しているパターンの場合、インテリアの趣味がバラバラだとバランスが悪くなり落ち着かない部屋になります。まとまった印象にするには、色味を揃えるなど工夫が必要です。また、和室の中も統一感を出すのを忘れないようにしましょう。そのためにはリフォームを一気にまとめてするのがおすすめです。
2-2. フローリングに替える場合
フローリングは畳よりも防音性、遮音性が劣るため、とくにマンションの場合は管理規約を確認した上で、フローリングの床材を防音効果が高いものにするなどの対処が必要です。また、古い住宅の和室では断熱材が入っていないことが多く、畳に比べフローリングは冷えやすいことから断熱材を追加する必要があります。
2-3. 床の高さを揃える
和室の部分は周囲と比べて高くなっていることがあります。畳と続く部分に段差があると、つまずいて転ぶ危険性があります。とくに高齢者や小さい子どもがいる場合は、和室と周りの床の高さを揃えるようにしましょう。
3. 和室リフォームの失敗例
和室をリフォームした後になって思いもしなかったことが起きることがあります。失敗例を知っておき、後悔しないリフォームに役立てましょう。
3-1. 暑くなった
和室のときはそこまで暑いと感じなかった部屋が、洋室にリフォームしたところ室温や湿度が高くなることがあります。これは湿気を吸収していた畳がなくなったことが理由です。また断熱材が入っていなかったり、適切な断熱工事がされていなかったりした場合にも暑く感じることがあります。洋室にリフォームする前にはエアコンや窓の設置を検討しておきましょう。
3-2. 騒音トラブル
前項でも触れたようにフローリングは畳に比べ防音性、遮音性が劣ります。畳のときは気にならなかった足音が、フローリングにすると大きく聞こえ響いてしまうのです。マンションのような集合住宅の場合、階下や同じ階の住民から苦情が出る可能性があり注意が必要です。
3-3. DIYでやろうとしたがうまくいかなかった
DIYでうまくリフォームできる人もいますが、和室のリフォームは高度な知識や経験が必要であるため専門業者に依頼するのが無難です。費用の面ではメリットがありますが、時間がかかることや失敗のリスクが大きいことを考えるとプロに任せた方が安心と言えます。
4. まとめ
和室のリフォームには和室のまま部分的にリフォームする、洋室に替える、和モダンの雰囲気に替えるという方法があります。和室を洋室にする場合、フローリングは畳に比べ音がしやすいことや、畳がなくなったことによる温度の上昇が想定されるため、対策を考えておきましょう。
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